タイの観光およびホテル市場/前編

2020.06.03
  • 業界トピックス
  • タイ

 

目次


 

  • タイ観光業の概要
  • タイ観光業の最近の動向
  • タイホテル市場の現状
  • タイホテル市場の競争環境
  • タイホテル市場の主要企業
  • タイホテル事業への外資規制
  • ホテル事業に関する主な規制・法令
  • まとめ

 

レポートデータは本レポート後編の末尾よりダウンロードいただけます。

 

タイ観光業の概要

タイ観光業の最近の動向

 

訪タイ外国人旅行者数の動向


  • 訪タイ外国人旅行者数の目覚ましい増加に伴い、観光業はこれまで長年にわたってタイ経済の主要な役割を果たしている。
  • ただし、2019年には世界経済の減速、米中貿易摩擦、バーツ高が主な要因となって、 外国人旅行者数は前年比4%増の3,980万人と成長が鈍化した。
  • 2020年の観光・ホテル業界は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大きな打撃を受けるであろう。 2月の外国人旅行者数は前年比で40%減少したが、3月と4月には50〜60%減といっそうの落ち込みが予想される。タイ政府観光局(TAT)の予測では、年後半には観光業の好転により、2020年通年の訪タイ外国人旅行者数は、最終的には25%減の3,000万人になる見込み。

 

 

タイ国内の外国人旅行消費額 


  • タイは2018年の国際観光収入で、世界第3位にランク入りした。
  • 2018年の国際観光収入全体のうちの28%を宿泊費が占め、その金額は5,345億バーツに達した。
  • 高水準の医療サービスを他国よりも安価で提供するタイは医療ツーリズムの訪問先として人気が高まっているため、成長率では医療費が最も高い。
  • タイ政府観光局は、2020年のタイの外国人旅行消費額は、年の前半に発生した新型コロナウイルス感染流行の影響により、前年比で15%以上、額にして4,000億バーツという大幅な減少を予測している。

 

 

年齢層による外国人旅行者の傾向 


  • ミレニアル世代がタイの外国人旅行者に占める最大の年齢層である。 2018年にタイに訪れた外国人旅行者のうち25歳から34歳までが1,000万人超と、全体の約27%を占めた。
  • シニア層の割合も高まりつつあり、65歳以上の旅行者数は、2014年から2018年にかけて年平均成長率27%と顕著にかつ一貫して増加している。 

 

 

個人旅行者の増加


  • タイへの個人旅行者の数は、2015年から2018年にかけて年平均成長率10%で増加した。 
  • 2018年の個人旅行者数は約2,900万人で、団体ツアー旅行者の3倍だった。 
  • さらに、個人旅行者は団体グループ旅行者より、長期間滞在する傾向がある。

 

 

オンラインチャネルの重要性の高まり


  • 個人旅行人気の高まりとデジタル化の進展により、予約や支払が便利なオンラインを通じた客室の売上が伸びた。
  • タイ政府観光庁(TAT)の調査によると、タイでは外国人旅行者のホテルやアクティビティを予約する場合のメインチャネルとしてオンラインが選ばれている。 
  • さらに旅行者はオンラインを利用してホテルの情報を検索したり、SNSで自分の体験をシェアしたりしている。

 

ますます高まる医療ツーリズムとMICEの重要性


 

医療ツーリズム
  • 手頃な医療費と国際認定取得済みサービスの提供により、タイの医療ツーリズムは成長している。患者やその同行者を含む医療目的の旅行者は、一般の旅行者よりも長期滞在する傾向がある。 またそのうちの多くがリハビリやレジャーのために滞在を延長している。 

 

MICE
  • MICE(会議、報酬・研修旅行、国際・学術会議、展示会)参加目的の旅行者は、タイへの 旅行者総数の3〜4%を占めている。 
  • 2018年にタイを訪れたMICE目的の旅行者数は127万人だった。そのほとんどは近隣のアジア諸国からである。 
  • MICEは重要なホテル収入源の1つである。不動産サービス大手のコリアーズ・インターナショナルによると、アジアでのビジネスイベントの約90%がホテルで開催されている。MICEによって、会議室、会議機器のレンタル、ホール、フードサービスなど付随するサービスからの収入ももたらされる。これによりホテルの収入をローシーズンであっても安定させている。 

 

タイホテル市場の現状

 

タイホテル市場の着実な成長


  • タイの宿泊事業は、2014年の政情不安の時期を除き、過去10年間着実に成長している。
  • 2019年の宿泊事業収入は 約4,500億バーツとGDP全体の約8%を占めた。
  • タイのホテルを多く抱える上位5県は、バンコク、プーケット、チョンブリ、スラーターニー、チェンマイである。 2018年、これら5県のホテルをあわせた 客室数が全国のホテル客室数の50%を占めた。

 

 

ホテル事業への強い投資意欲


  • タイへの旅行者数の着実な伸長により、ホテルの供給が急増した。 
  • 2018年、ホテルの建設許可が増加し、全国の許可取得済面積の合計は200万㎡に達した。そのうちの60%以上をバンコク、プーケット、チョンブリ、チェンマイを含む4つの主要な観光地が占めた。
  • ここ数年ホテル建設が加速しているため、2020年から2021年にかけて、新規ホテル供給が著しく増加する見込みである。不動産サービス大手のJLLによると、同期間中にバンコクでは約1万2,000室、プーケットでは9,000室が新たに市場に投入される予定である。

 

 

(後編へ続く)

 

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