タイランド4.0と近年の投資動向/後編

2019.04.15
  • 業界トピックス
  • タイ

本編は前編の続きです。

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 「タイランド4.0時代」に入っても、主要な投資先は東部臨海地域

  • 東部臨海地域(ラヨン県、チョンブリ県、チャチュンサオ県)は、過去30年にわたる開発プロジェクトの中でタイで最も人気の高い投資先である。
  • 最近の東部臨海地域の強味(バンコクに近い、インフラが整っている、広範なサプライチェーンが利用できる、複数の産業の製造拠点であることなど)により、同地域はタイランド4.0政策が掲げる主なターゲット産業の主要地域に指定されている。
  • 東部臨海地域への外国投資の誘致を目的に、これまでにも積極的に東部経済回廊(EEC)地域の開発計画が実行されている。これに加えて、整合性と計画性のある開発を着実に実行することで投資信頼度を高めようと2018年5月には、Eastern Special Development Zone Act(東部特別開発地区法) B.E. 2561が施行された。
  • 多国籍企業はタイの技術力向上に重要な役割を果たしている。このため政府は東部経済回廊(EEC)地域に国外からの投資を惹きつけようと、手厚い各種(税制・税制以外の)優遇措置をとっている。
  • 投資委員会(BOI)によると、2016年から2018年の期間、タイ全体の投資額に占める東部経済回廊(EEC)地域への投資額の割合は50%超だった。
  • 東部経済回廊(EEC)地域では新規企業登録件数が増加している。登録資本金額ベースで上位を占めているのは不動産や建設であり、今後EEC地域で増加が見込まれる需要の取り込みを狙っている。
  • 国外からの直接投資(FDI)については、EEC地域への最大投資国は依然として日本であり、同地域の全企業の総額に占める日本企業からの投資の割合は登録資本金額ベースでは19%、投資金額ベースでは50%超である。

 結論

地理的にもインフラ的にも有利な条件が整っていることに加え、タイランド4.0に基づく手厚い投資優遇措置や投資奨励策がとられているため、タイの投資環境は極めて好ましい状況にある。一方、国外の状況――米中貿易戦争、中国の一帯一路構想、日中企業間の提携、ASEAN市場の台頭など――もタイ国内の幅広い業種のメーカーやサプライヤーにとっての大きなビジネスチャンスとなっている。
こうした状況によって、新たな産業(新S字カーブ)を中心にタイの投資が着実に伸びているため、近い将来、ターゲット産業のサプライチェーンがさらなるビジネスチャンスをもたらすだろう。また、東部経済回廊(EEC)の開発が建設・物流事業およびそれら関連サービス事業にとって有利にはたらくであろうことについてはいうまでもない。

 

 

執筆:YAMADA Consulting & Spire (Thailand) Co., Ltd.
   YC Capital Co., Ltd.

   (山田コンサルティンググループ株式会社 タイ現地法人)

 

 

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