中国が直面する「人手不足」と
その対策としての「自動化」

2019.05.15
  • コラム
  • 中国(Greater China)

人口13億人を抱える中国。この中国が深刻な人手不足に陥ろうとしています。本コラムでは、中国の直面する現実とその対策についてご紹介をします。日本企業の海外進出の参考になれば幸いです。

人口構成の変化について

中国の人口13億人のうち、労働人口は9億人強であり、数年前から減少に転じています。今後の予測として、2030年には8億人、2050年には7億人になるという試算があります。
逆に、高齢者人口は2050年には4億人を超えると言われており、超高齢化社会が待っています。
 

人手不足の要因

企業サイドから見た「人手不足」の要因としては何点かありますが、まずは80年代から始まり最近まで続いた「一人っ子政策」の影響、そして「高学歴化」「地方都市の発展」「賃金上昇」等が挙げられます。それにより「出稼ぎ労働者」や「単純労働者」といった形態の労働者が減少しました。
また、工場労働者が集まりにくい一方で、広い国土をカバーするアリババ等のEC(Electronic Commerceの略、電子商取引のこと)やフードデリバリービジネスを支える、「ラストワンマイル」に関わる配達員の需要が増えています。このような状況は、工場だけではなく、外食産業などでも深刻な問題となっています。
 

人手不足に備える対応策

それらの課題を解決する為の国家戦略が「中国製造2025」であり、その中の施策で最も重要なのが「自動化」です。「国家戦略」や「人手不足」が発端ではありますが、中国では急速に「自動化」が進んでいます。例えば、シャープを買収した台湾企業の鴻海は「自動化」「工場無人化」による人員削減を進めており、現時点で70万人、来年再来年には更に半分近くを削減する計画にしています。また、自動化を巡る動きは、製造業に留まらず、飲食業にも広がってます。

 

飲食店における「自動化」の導入

火鍋屋「海底撈(ハイディーラオ)」という飲食店を御存じでしょうか。現在、中国300店舗、海外30店舗の規模を有する飲食チェーンで、日本では池袋や新宿に展開しています。今後世界で5,000店舗を目指す中で最重要課題と位置付けているのが人材の確保です。
海底撈では、今年シンガポールにおいて、パナソニックとの合弁でレストランの自動化システムの開発会社を設立しました。調理や配膳、鍋の温度調整などを自動化にすることで、店舗当たり20-30%の人員削減につながると期待しています。
 

 

このように、スマート製造からスマートレストラン等へ徐々に自動化の裾野が広がってきています。
既に中国ではキャッシュレスがほぼ100%浸透しているわけですが、このようなオペレーションの無人化も進んでおり、今後最新技術の導入により更なる進化が期待され、注目が必要な分野であると考えます。
 

 

 

執筆:上海現地法人 山田商務諮詢(上海)有限公司

         (山田コンサルティンググループ株式会社 中国現地法人)

 

 

本コラムに関するご感想、ご質問は下記問合せフォーム、またはメールにてお寄せ下さい。

https://www.yamada-cg.co.jp/contact/

 

メールの方はこちら

global-support@yamada-cg.co.jp

  • 海外事業コンサルティングサービス内容
  • セミナー情報