日本とベトナムにおけるお墓の違い

2019.05.17
  • コラム
  • ベトナム

日本とベトナムは同じ仏教国でありますが、お墓については形式や考え方等で異なる点が多数あります。また、最近では「投資目的」としての霊園の区画を購入する方もいるようです。本コラムでは、日本との違いに触れつつ、ベトナムのお墓についてご紹介をいたします。

 

 

ベトナムでは、日本のようにお寺の横に敷地を有したお墓は一般的ではなく、自治体等が指定した原っぱに墓石だけを置いただけの霊園、あるいは地方においては今もなお自宅の庭や自宅付近に埋葬する風習が残っています。昨今では生活水準の向上により、お墓にお金を使える中間層も増えていることから、景観や設備が整った都市近郊の霊園の開発も進んできました。

 

お墓の違い

①    家族墓ではなく個人墓
日本では多くの場合、家族で一つのお墓に入ることとされていますが、ベトナムでは個人毎にお墓を作るのが一般的です。ただ、家族の何人かで入れるお墓も同時に用意されており、2人用、4人用、8人用、またさらに広い特別な区画といった区分があります。

②    土葬
最近では衛生面や場所の問題からベトナム政府として火葬を奨励しており、徐々に火葬も広がっていっているようですが、ベトナムではまだまだ土葬が一般的です。火葬し遺骨のみを納めるお墓より、遺体を土葬するお墓の方が面積を要するのは当然であり、実際に広さ5㎡(約3畳)くらいの区画が一人用として販売がなされていました。ちなみに、日本のお墓の平均面積は2㎡弱で、位牌墓や五輪塔を備える場合は3㎡が必要となります。こちらの数値からもベトナムの区画がいかに大きいか、感じ取って頂けるのではないでしょうか。
 

「投資目的」としてのお墓とは

次にベトナムにおける「投資目的」としての霊園についてお話しします。
都市近郊の霊園において、販売開始からたった1年強で4~5万の区画が完売しました。一番安価な一人用の区画で約15万円、200㎡で500万円という特別な区画までをも擁した霊園です。
購入者について調査をしてみると、実は自分でお墓として入るために購入している人は少数であり、購入者のほとんどは投資目的、つまり今後転売して利益を得るために購入しているという実態がありました。中には完成前にもかかわらず数百万円の区画を購入し、6割の利益を載せて売却済みという方もいた程です。

日本では法律で個人が墓地を所有し、転貸もしくは売買することは認められていないため、そもそも投資の対象となることはありませんが、ベトナムでは中国同様、一般的な不動産投資と変わらぬ感覚で投資対象とされているようです。信心深いベトナム人が投資目的でお墓を所有することに抵抗はないものか気になりますが、何人か周囲のベトナム人に聞いても違和感を持つ人はそれほど多くないようです。こういう点では現実的でアグレッシブな考え方を持っていると言えるかもしれません。またお葬式でも「明るく賑やかに」行うのが故人のため、と考える傾向にあり、日本とは「死」の捉え方が異なるということが背景にあるとも考えられます。

ベトナムでは都市部の中間層による投資熱が高まっており、中でも土地・マンション等不動産投資に人気が集中しています。土地の価格は必ず上がるという一時期の日本や中国のような土地神話に対する信仰が高まっている現状も、お墓に投資する、という現象を強く後押ししていると言えるでしょう。
 

 

 

執筆:YAMADA Consulting & Spire Vietnam Co., Ltd.

  (山田コンサルティンググループ株式会社 ベトナム現地法人)

 

 

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