中国冷凍食品業界の見通し/前編

2019.03.01
  • 業界トピックス
  • 中国(Greater China)


※レポートデータは後編末尾よりダウンロードいただけます。


冷凍食品業界の概要

  • 中国冷凍食品の市場規模は約1,000億元(1兆7,000億円、17/元で換算。以下、同様。)に達し、平均成長率 10.2%で拡大している。
  • 製品群は、伝統的小麦粉製品類と鍋用冷凍製品類に大きく分けられ、日本の分け方とは違う。
  • 中国の消費者の多くは健康的で安全性の高い食品を選好している。
  • 日中の主要冷凍食品の価格を比較すると、1製品当たりの価格差異はそれほど大きくないが、中国の方が内容量が多い。
  • 中国での売れ筋商品の価格帯は、20元~30元(340円~510円)である。


 

日本冷凍食品業界の動向

日本の冷凍食品業界は全体的に安定したマーケット

  • 日本の冷凍食品業界について、日本冷凍食品協会の調べによると2017年の冷凍食品国内生産高は、数量が160万1千トン、工場出荷額は7,180億円で業務用・家庭用いずれも増加基調である。
  • 冷凍食品は全体として需要の拡大が続いているが、約7割のシェアを占める上位5社(マルハニチロ、日本水産、ニチレイ、日清食品HD、東洋水産)の存在感が強く、中小のプレイヤーや新規参入にはかなり厳しい状態である。
  • 工場数と企業数はそれぞれ2007年の746拠点、613社から2017年には466拠点と406社へ減少し、業界の集中度が緩やかに高まっていることが伺える。
     

中国冷凍食品業界の動向(1/2)

B2Cで競争激化、B2Bへのチャネルシフト
健康など機能性による差別化小、伝統的食材中心

  • 中国の冷凍食品業界について、2017年の市場規模は約1,000億元(1兆7,000億円)に達している。製品群は、餃子、甘団子などの伝統的小麦粉製品類と鍋用冷凍製品類に分けられるが、構成比は6:4で、いずれも前年比2桁で増加している。
  • 日本における冷凍食品の6割が業務用であるのに対して、中国の冷凍食品の大半は代理店を通して小売店やスーパーなどで販売されている。
  • 近年スーパーの地価や陳列費が高騰する一方、外食業や出前業が急速に発達しており、各大手メーカーは飲食店やホテル、学校、政府食堂など業務用の販路拡大を競争の重要領域と捉えている。
  • 中国のTmallネットスーパーの6月25日時点までの主な冷凍食品の販売量から見ると、伝統的な水餃子依然として最も売れており、中式パンケーキがその次となる。

マクロ環境(1/2)

中国の都市化率上昇と可処分所得の増加により冷凍食品の消費量は今後長期に渡り増加するとみられる

アメリカと日本の冷凍食品業発展の推移から見ると、都市化率が50%を越えると、冷凍食品が爆発的な増加段階に入る傾向がある。一方で中国は、2017年の都市化率は58.5%に達し、冷凍食品の本格成長期に入っている。

中国の一人当たりの可処分所得が穏やかに増加している一方、右下図に示すように、現時点では一人当たりの冷凍食品の消費量は9kgに止まり、アメリカやヨーロッパなどの先進国を大きく下回っている。また、中国冷凍食品の種類はまだ少なく、日本の6分の1程度である。
 

マクロ環境(2/2)

都市部と農村部の一人あたり可処分所得の差が大きい

  • 主要都市別の一人あたり可処分所得を見ると、可処分所得が3万元(510万円)を超えている省市は全国で7省市あり、都市部と農村部には大きな差が見られる。今後農村部の可処分所得の上昇とコールドチェーンの発展により、農村部の冷凍食品消費の増加が期待できる。
  • 主要都市別飲食チェーンの店舗数から見ると、現在は飲食チェーンが一級都市に集中している。今後可処分所得の増加に伴い、二三級都市における飲食チェーンが増加し、間接的に冷凍食品の需要が拡大すると見ている。
     

市場環境

ファストフードチェーンに対するB2B業務が期待できる

  • 中国産業情報網によると、16~17年にベンチャー投資を受けた飲食チェーンは合計47件あり、そのうちファストフードと出前 関連はそれぞれ12~13件で、それぞれ全体の25.5%~27.7%を占めている。
  • ベンチャー投資を受けた業態から見ると、ファストフードと出前関連が最も人気を集めている。また、ファストフードの消費量が増加しているが、これは消費者が飲食業に対して、スピードや簡便さへの要求が高まっていることの現れである。ファストフードは冷凍食品の潜在的競合という見方が一般的であるが、ファストフード店も冷凍食品を使用し始めているため、冷凍食品はむしろ次の巨大な提携相手と捉えるべきであろう。
     

事業構造の把握とKSF

  • 中国冷凍食品業界の市場規模はCAGR10.2%で成長しており、今後も需給が拡大するとみられるが、市販の種類が少なく、各ブランドの差別化があまり図られていない。
  • 販売チャネルは卸売:スーパー:飲食店の割合は6:3:1で、近年スーパーの陳列費高騰や価格競争激化により、積極的なホテルや飲食店向け販路の開発は成功の鍵となる。
     

冷凍食品の商流

  • 中国大手冷凍食品メーカーの6割は販売代理店経由の卸売。
  • 冷凍食品は輸送プロセスにおいて温度制御が必要であるため、販売代理店や物流会社の冷凍設備及びコールドチェーンの発達度合に大きく影響される。
     

中国冷凍食品の発展段階

  • 冷凍食品に対する意識の変化とコールドチェーンの発達により、冷凍食品は2005年頃から急速発展段階に入る。
  • 業務用向けの割合は依然として小さく、販路拡大は各プレーヤーの重点的な競争領域となる。
     

 

 

(後編へ続く)

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