中国の化粧品・コスメ市場と消費者の消費行動の特性/前編

2020.01.06
  • 業界トピックス
  • 中国(Greater China)

はじめに

中国の「化粧品・コスメ」市場は近年大きく伸びており、世界第2位の市場規模となっている。しかしながら、まだ発展段階であり、さらなる拡大余地が見込まれる有望市場として、日系企業の進出が進んでいる。
中国進出の際は、日本で売れている商品、日本で行っているマーケティングが通用しないことが多々ある。成功のためには、中国市場と消費者を理解し、ターゲットとなる地域・消費者層などを明確にした上で、販売戦略の作成が不可欠である。
本レポートでは、弊社が実施した消費者調査結果と、各種公表資料・情報をもとに、中国消費者の化粧品・コスメに関する消費行動の特徴と、市場の動向を紹介する。

 

Contents

  1. 調査概要とSummary
  2. 中国の化粧品・コスメを取り巻く環境の変化
  3. 情報収集から購入に至るまでの中国消費者の特徴と背景
  4. 中国消費者による国内外ブランドの選好における傾向

 

* 本資料の中で弊社消費者調査の結果を図表化したものは、図表タイトルに「Q」が付いている。

レポートデータは本レポート後編の末尾よりダウンロードいただけます。

 

調査概要とSummary

 

中国の化粧品・コスメ市場は世界第二位の規模でありながら、さらなる成長余地がある

・世界第二位の市場規模であるが、一人当たり消費額では日本の約7分の1程度であり、若年層の消費拡大、地方都市の消費額伸長等により、さらなる成長が見込まれる。

・現在はスキンケア製品中心の市場であるが、メイク習慣の広がりとともにメイクアップ製品の売上が伸長しており、成長が見込まれる。

・現在は低~中価格帯製品のシェアが高いが、近年は高価格帯製品の需要が拡大傾向にある。

 

中国では、オンラインストア、化粧品専門店・ドラッグストアチェーン経由での購入が増えている

・中国では、年代を問わずオンラインストアで化粧品・コスメを購入する消費者が多く、市場シェアは第一位となっている。

・化粧品専門店・ドラッグストアチェーンも店舗数が拡大しており、市場シェアを伸ばしている。

 

中国の消費者による国内外ブランドの選好には、商品価格帯、地域により特徴がある

・中国では化粧品・コスメの輸入額が拡大しており、海外ブランドが浸透している。

・高価格帯商品では海外ブランドのシェアが高く、低~中価格帯商品では国内ブランドが台頭してきている。

・北京・上海・天津では日本製スキンケアの選好度が高いなど、地域による特性も見受けられる。

 

中国の消費者は口コミを重要視するため、口コミを活用した広告・販促活動が有効である

・中国の消費者は商品認知・購入判断の際、口コミを重要視するため、SNSやKOL(Key Opinion Leader)を活用した広告・販促活動が有効であり、活用事例はすでに多くある。

・商品使用者やKOLが実際に商品を使用した体験は消費者の商品理解と興味・購入の促進につながると推測される。

 

中国の消費者には「安心・安全・信頼感」の訴求が不可欠。併せて多様化・高度化するニーズの把握と対応が重要

・中国では偽物化粧品生産・販売による被害が起きている事から、消費者は商品の安全性を最も重視している。

・所得水準と消費者の意識向上により多様化・高度化する消費者ニーズを把握し対応することが重要である。

 

 

今後も拡大が予想される中国の化粧品・コスメ市場での成功のためには、中国市場と消費者を理解し、

ターゲットとなる地域・消費者層などを明確にした上で、販売戦略作成を行うことが不可欠となる。

 

中国の化粧品・コスメを取り巻く環境の変化

 

  • 近年、中国の化粧品市場は急速に成長しており、日本を超える世界第二位の市場規模となっている。
  • しかしながら、人口が多く、地域間の格差が大きいこともあり、一人当たりの消費額では、日本の約7分の1程度である。
  • 今後は、若年層の消費拡大、3~4級都市*の消費額伸長等による、さらなる市場規模拡大が見込まれている。

*中国の都市は、人口・経済等の規模により、級別に区分して語られることが多い。1級が北京・上海などで最上位。3~4級は経済規模の大きい地方都市に相当。

 

 

  • 中国の化粧品・コスメ市場を品目別にみると、スキンケア製品が大半を占めており、メイクアップ製品のシェアは低い。
  • 中国女性の間では日常的なメイク習慣はなかったが、美容意識の向上と女性の社会進出・収入増により、現在では、OLや学生を中心にメイク習慣が広がりつつあり、急速にメイク市場が拡大し、今後も成長が見込まれる。

 

 

  • 弊社調査では、中国の化粧品・コスメの購入頻度、平均金額は東京を上回る結果となった。前述のように、中国全土の化粧品一人当たり消費額は日本の約7分の1であるが、今回の調査地域が上海・重慶・成都といった大都市で行われたことから、このような結果となったと推察される。
  • また、各種統計より、可処分所得の上昇に伴い、中国では高価格帯商品の消費が伸びていることが読み取れる。これは、消費アップグレードの進行、高品質な化粧品を重視するようになっているためと推察される。

 

情報収集から購入に至るまでの中国消費者の特徴と背景

 

  • 化粧品・コスメ購入における商品認知(知るきっかけ)と購入判断の情報源における、中国と日本の特徴を比較する。
  • 日本は、「実店舗・ショールーム」を情報源とする回答が圧倒的に多い。
  • 一方、中国では、様々な情報チャネルを利用している。その中でも「友人・知人からの口コミ・紹介」と回答するものが最も多く、身近な人からの口コミや紹介が信頼できる情報源として重要視されていることが窺われる。
  • 中国においては、SNSや口コミを活用した広告・販促活動が有効であると推察される。

 

 

【ご参考】SNSや口コミを活用した広告・販促活動事例

 

  • 中国におけるSNSや口コミを活用した広告・販促活動の成功事例は数多くあり、日本企業もすでに活用している。
  • 製品使用者の口コミや、多数のフォロワーを持つKOL(Key Opinion Leaders) の発信する商品情報は、消費者の購買行動に大きな影響を与えている。メーカー発信では伝わらない実際の使用感を、KOLや使用者の言葉で伝えることにより商品理解と興味・購入の促進につながっていると推察される。
  • 近年、口コミ情報を閲覧してそのまま購買できるソーシャルコマースと呼ばれるプラットフォームも人気を集めている。

 

 

  • 弊社調査より、化粧品・コスメを購入する際に消費者が重視する点を比較すると、日本では「価格・値打ち感」を挙げる回答が多い。一方、中国では、「安心・安全・信頼感」「品質・性能(技術力)」「成分」という回答が「価格・値打ち感」よりも上位である。
  • 日本では、どのグレードの商品でも安全性や品質はある程度保証されているが、中国では、偽物化粧品生産・販売による健康被害も起きていることから、消費者は商品の安全性を重視し、商品を購入していると推察される。
  • 中国においては、“安心・安全・信頼感” を訴求したブランディングが不可欠である。

 

(後編へ続く)

 

中国の化粧品・コスメ市場と消費者の消費行動の特性/後編はこちらから

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