中国・外商投資法の施行に伴う組織構造変更のポイント

2020.02.01
  • 制度トピックス
  • 中国(Greater China)

2020年1月、中国で外商投資法が施行されました。
これにより中国に進出する日系企業で定款などに規定されている組織構造の変更が必要なケースが発生します。
本稿では、具体的に変更が求められる企業形態とその変更事項につきご紹介します。

 

外商投資法の概要と外資企業への影響

外商投資法の概要
  • 外商投資法(以下、「同法」という)は2015年に草案が発表され、2019年3月15日に制定、2020年1月1日より施行されました。
  • 同法では、外商投資の管理制度、外商投資の財産や業務機密の保護などが規定され、外資企業の投資促進、権利・権益の保護などがうたわれています。
  • 法律上では内資企業と外資企業の審査認可などにおける不平等が是正され、外資企業にとってよりビジネスの行いやすい環境整備が進んでいると考えられます。
  • また、最も注目すべき内容は、同法施行に伴い、 「外資企業法」、「中外合資経営企業法」及び「中外合作経営企業法」 (以下、「外資三法」という)が廃止となったという点です。同法の施行に伴い、根拠法が外資三法から内資企業と同様に「会社法」を適用することになります。
     
外資企業への影響
  • 従来、外資企業が中国で会社を設立する場合、企業形態に応じ、それぞれ外資三法を根拠法とし、会社組織、会社組織構造の設計、利益配分などを定款などに定めていました。
  • 同法では、2020年1月1日から5年以内(2024年12月31日まで)は引き続き従前の会社組織構造を留保できると定められていますが、特に、合資経営企業(合弁企業)の企業形態をとっている会社は、今後の組織構造について、合弁相手企業と早期に組織構造について議論を開始しなくてはなりません。
  • 同法施行から5年間は会社組織構造を保留できると定められている一方で、同法施行と同時に外資企業が拠りどころとしていた外資三法が廃止されるため、速やかに定款等の変更を行わない場合、根拠法が存在しない異常な状態を放置することになります。
  • 本資料では、特に合資経営企業の合弁契約書、定款について、見直すべき箇所に絞ってご説明します。
     

 

対応が必要な企業形態

  • 中国における外資企業の企業形態のうち、定款などに規定されている組織構造の変更が必要となるのは、主に中外合資経営企業と中外合作経営企業の形態をとっている企業となります。
  • 中外合作経営企業の形態をとっている企業は数が多くないため、今回は中外合資経営企業(有限責任公司)に焦点を当ててご説明します。
     

  • 中外合資経営企業法廃止により、合弁企業パートナーとして中国人自然人個人も出資者になることが可能となった点も注目されます(中外合資経営企業法第1条「中国合営者」)。組織構造変更要否とは直接関係しませんが、増資・組織再編・幹部へのストックオプション等検討の局面では考慮されるべき点と言えます。
  • また、中外合資経営企業法第26条「ノウハウ出資等」、第6章第40条~第43条「技術導入」の適用が不要となったことから、外国側企業の知財権保護強化の観点も注目されます。
     

再構築が必要な事項(中外合資経営企業の場合)

  • 外商投資法の施行により、会社法の規定に沿って変更しなければならない主な項目は以下の通りです。
  • 定款の変更のための合弁相手企業との交渉は時間がかかることもあり、速やかに変更可否の確認、変更についての交渉を開始することが望まれます。
  • 重大事項の内容・決定方法、配当比率に別途の定めがある場合など、交渉が難航することも想定されます。

 

再構築に向けた実施Step例

  • 再構築に向けた実施Stepとして、まずは既存の合弁契約書や定款の内容をチェックをします。
  • この機会を利用し、契約内容の変更にとどまらず、ガバナンス体制やモニタリング体制についても見直しを行うことをお勧めします。

 

 

Appendix

▮海外子会社マネジメントの原則

 

▮海外子会社マネジメントの失敗例

  • 海外子会社のマネジメントにおいて失敗する事例の多くは、「コントロールのしすぎによる失敗」と「現地に任せすぎによる失敗(放置・丸投げ)」に大別されることが多い。
  • この2つのバランスをいかに取るかが肝要です。

 

 

▮子会社マネジメントのポイント

  • 親子会社間のマネジメントを有効に機能させるためには、親会社が留保する権限と、子会社に委譲する権限を明確化する必要があります。
  • 子会社管理は、ヒトによる管理ではなく、仕組み(ルール、制度)や企業理念の浸透による管理が効果的。

 

▮有効にマネジメントするために必要なルール(規程)

  • 子会社を有効にマネジメントするためにはルールの導入が効果的です。
  • 特に、親会社の目が届きにくい合弁会社では、不正予防、コンプライアンス防止の観点でも重要です。

 

執筆:山田コンサルティンググループ株式会社

 

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