タイの民間病院/前編

2020.02.25
  • 業界トピックス
  • タイ

 

Contents


  • タイの医療を取り巻く状況
  • タイ医療サービス市場の現状
  • 大手民間病院グループ
  • 最近の業界動向
  • 医療サービスに対する政府の支援政策
  • 病院事業経営に関する主な規制・法令
  • まとめ

 

レポートデータは本レポート後編の末尾よりダウンロードいただけます。

 

 タイの医療を取り巻く状況

 

 

 タイ医療サービス市場の現状

 

タイ医療サービス市場の成長を支える民間医療保険の急成長

  • タイには、公務員医療給付制度 (CSMBS)、社会保障制度 (SSS)、およびそれらの対象者以外の全ての国民を対象とする国民医療保障制度 (UCS) という3つの主要な制度がある。 これらは被保険者、財源、給付方法がそれぞれに異なる。 
  • 公的医療保険の効率の悪さ、健康上の懸念の高まり、医療費の上昇により、民間医療保険の重要性が高まっている。公的医療保険に加えて保障を厚くしようと、個人的に医療保険に加入する人がいることや、 従業員を引き付ける手段の1つ として従業員向けに加入する雇用主が 増えていることなどが、民間医療保険の急成長に寄与している。

 

高齢化がもたらす医療需要

  • タイの高齢者数は2016年以降1,000万人を超えている。国家経済社会開発委員会(NESDC) の推計では、2025年には1,500万人、2038年には2,000万人にも達するとされる。
  • 高齢者人口の増加により、特に慢性疾患、つまり非感染性疾患(NCD)に対する医療需要が高まっている。
  • 保健省によると、2018年の主要なNCD(高血圧症、糖尿病、循環器疾患、脳卒中、慢性呼吸器疾患)を患って入院している患者の数は300万人を超えた。

 

医療ツーリズムの著しい成長

  • 東南アジアで最も多くの認定病院を有し、高水準の医療サービスを他国よりも安価で提供しているタイは、現在医療ツーリズム訪問先のトップ10に入っている。 
  • 観光スポーツ省の統計によると、2018年の訪タイ客による医療費支出は300億バーツを超えた。 
  • 人気のある医療サービスは、専門医療(特に血管疾患、骨・関節疾患、がん、胃腸疾患)、健康診断、美容整形、若返り治療、不妊治療である。
  • 受診者のほとんどがASEAN(特にCLM: カンボジア、ラオス、ミャンマー )、中国、米国、オーストラリア、英国、ロシアなどから医療ツーリズム目的で訪れている訪タイ客である。 
  • 2016年以降に医療費が大幅に増えたのは、中国とCLMから医療ツーリズム目的で訪れた人たちによるところが大きい。2016年に中国政府が一人っ子政策を廃止したため、不妊治療のためにタイを訪れる中国人カップルも増えている。また美容医療のニーズも高い。

 

民間医療サービスの需給量の増加

  • 民間病院数およびその病床数は、国内の中間所得層と医療ツーリズム目的の訪タイ客両方からの医療需要の高まりを受けて、増加している。
  • 民間病院が集中するバンコクと中部の病床数は、国内全体の70%以上を占めている。
  • 最大規模の県・都市に次ぐ規模のいわゆるセカンドティア県(プラチンブリ、ナン、ナコンシータマラート、サラブリなど)では世帯収入の増加と民間医療施設の不足が、民間病院への投資を促している。また、近隣諸国からの強い需要により、サカエオやタークなどの国境地域の県でも民間病院が事業を拡大している。 

 

 大手民間病院グループ

 

総収入によるタイの民間病院グループ上位5社

 

 

(後編へ続く)

 

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