[新型コロナウィルス肺炎感染]上海における上海以外の地域からの入境者対応策

2020.03.06
  • 制度トピックス
  • 中国(Greater China)

上海市における新型コロナウィルス感染症による肺炎の新規感染者数が沈静化する一方で、中国以外の国では感染者が急増しています。上海市は湖北省を含む中国の感染症重点地域からの流入防止措置に加え、海外からの「ウィルス逆輸入」にも厳しい措置を開始しましたので、概要についてご紹介いたします。

 

 

■海外から上海への渡航について

3月3日の上海市での防疫に関する記者会見で、上海市政府新聞弁公室の徐威主任が、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行により、上海に入境する前の14日間に、重点国家・地域(日本、韓国、イタリア、イランなど)に滞在歴がある人を国籍にかかわらず、一律14日間の自宅隔離または集中隔離観察対象にすると発表しました。上海に固定の居住地がない場合には、指定されたホテルでの隔離観察となります。

外国人が言語でコミュニケーションを取れない課題に対しては、コミュニティスタッフ、医療サービスセンターのスタッフ、外国語ボランティアの「三人工作チーム」という体制で、外国人の居住地に訪問し、外国人入国者の情報を確認、外国人の言語障壁による問題を解消しています。

上海以外に、北京、広州、山東省等も感染症の重点国家・地域からの渡航者に対し、14日間の自宅または指定施設での隔離措置の発表を行っており、中国全土で広がる可能性がありますので、中国に渡航を予定している方は今後の動向を注視する必要があります。
 

 

■中国の他の地域から上海への入境について

2月10日、上海市政府が公表した「各項防疫措置の更なる実施に関する通告」の第一条、「上海への入境ルートの管理強化」により、空港、鉄道駅、及び上海とかかわるすべての高速道路と水上出入口に対して、厳しい管理を行っています。上海への入境者に対して、一律に体温測定、個人情報の申告を実施し、重点地域からの入境者に対しては、14日間の隔離観察が行われています。上海に住所がなく、明確な仕事がない人に対しては、出発地へ引返すよう説得が行われました。

2月23日、上海市衛生健康委員会が出発地への引返しの基準となるホワイトリスト・ブラックリストを開示しました。上海身分証明書を所持する人は身分証明書番号で、上海居住証を所持する人は居住証を提示すると入境可能です。身分証明書も居住証も所持していない場合、公安データベースで勤務状況、居住、不動産購買情報などにより入境可否を判断します。該当情報がない場合、説得を行い、条件に合致しない同行者も上海への入境は不可としています。

しかし、2月26日の上海市市民サービスセンターの説明によると、上海市は「上海に住所も仕事もない人」に対する強制説得の実施はすでに停止したとしています。上海市から正式な通知が出ていない場合においても、小区(地域コミュニティー)などのより小さな行政単位では、独自の基準を設けて感染防止策の強化を行う事例も確認されています。日々、政府や関連政府機関から方針や発表が相次いで出されており、各地で様々な混乱が生じていますので、現地での最新情報の収集が重要となります。

また、高速道路、鉄道駅、空港から上海に入境する人に対しては、健康表を記入し、正常な体温で、感染者との濃厚接触歴がない場合、通常通りに上海に入境することが可能です。湖北省などの重点地域を経由して上海に入境する場合、14日間の隔離観察が求められます。隔離終了後、隔離観察を担当するコミュニティ衛生サービスセンターより「重点地域人員隔離健康観察解除告知表」が発行されます。非重点地域から上海へ入境する人に対しても、場合によって隔離の実施がありますので、都市間の移動は引き続き容易ではない模様です。
 

 

■在中国外国人のビザが期限満了について

3月1日、国務院の記者会見で、国家移民管理局国境検査管理司(部門)の劉海涛司長により、新型コロナウィルス感染症の防疫期間中、在中国の外国人ビザが期限満了となる場合、二ヶ月間の自動更新が行われ、延長手続は不要となりました。医療救助、医薬品開発、学術訪問における防疫関係者に対しては、各地域の公安入国管理部門が24時間特急サービスを提供します。防疫に関する交流と協力、重要な貿易あるいは研究活動のために中国へ渡航する外国人が、事前にビザの申請が間に合わない場合、入港地でポートビザの申請も認めています。

加えて、移動や集会を回避し、相互感染リスクを減らすため、国家移民局が「インターネット+行政事務」サービスを提供し、在中国の外国人が中国国民と同様に、インターネットや郵送によるビザの申請ができるようになっています。
 

 

 

▼本稿内容等に関するお問い合わせ先

山田コンサルティンググループ(株) 事業戦略部 平井 global-support@yamada-cg.co.jp

 

 

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